2019年3月1日

準強制わいせつ罪で起訴された 医師は無罪 被害者とされる女性の「術後せん妄」

乳腺外科医に無罪判決 「女性の胸を舐めた」として準強制わいせつ罪に問われていた
https://www.huffingtonpost.jp/entry/yanagiharajiken-hanketsu_jp_5c6cddf5e4b0e2f4d8a0a0e3

東京都足立区の柳原病院で乳腺外科の手術を担当した非常勤の男性医師が、執刀後に女性患者の胸を舐めたなどとして準強制わいせつの罪に問われた裁判の判決が2月20日、東京地裁であった。




大川隆男裁判長は医師に対し無罪(求刑懲役3年)を言い渡した。
2016年11月の初公判後、内容を整理するために期日間整理手続に入った。
第2回公判は2018年9月。その間、裁判所と被告側、被害者側は論点の整理をした。
裁判の最大の争点は、女性の胸から検出された医師のDNAと唾液成分のアミラーゼの鑑定結果と、麻酔後に起きる「術後せん妄」の可否だった。
弁護側は「女性は当時手術直後であり、麻酔の影響などで現実と幻覚の区別をつけることが難しい、せん妄状態であった」と主張。
その理由として、女性がナースコールを押した記憶がないことや、看護師に対して女性が言ったとされる文言について、女性には記憶がないことなどから、現実との区別があいまいな状態だったとした。
(略)
一方、検察側は女性の胸から検出された、アミラーゼと1.612ng/µLの医師のDNAなどをもとに、懲役3年を求刑していた。
(略)
裁判では、DNAの検出を行った科学捜査研究所の捜査手法について採取の状況が写真撮影されていないことや、抽出液が破棄されていることのほか、実験ノートが鉛筆書き修正があったことなどが指摘された。
その結果、判決では1.612ng/µLという量は証拠として採用されず、DNAが一致したことと、アミラーゼの陽性反応のみが採用された。

東京都足立区の柳原病院で自身が執刀した女性患者に対してわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪で逮捕・起訴された男性外科医に対する東京地裁(大川隆男裁判長)の 経過簡略なまとめ

2018年8月3日
男性外科医に対する東京地裁での公判が再開されるのを前に、医療関係者有志で作る「外科医師を守る会」は8月3日、東京都内で「乳腺外科医冤罪事件真相を知る会」を開催した。弁護団は逮捕の決め手となった男性外科医のDNA鑑定について「抽出プロセスの記録もなく、鑑定試料を廃棄しており、最低限の科学性を備えていない」と主張。


第2回公判が9月10日に開催された。
弁護側冒頭陳述で「本件は、事件や犯罪ではなく、医学ジャーナルに載って注意喚起されるべき症例である」とし、無罪を訴えた。
裁判は2016年11月30日の初公判の後、裁判所、検察、弁護士で公判の進め方を非公開で協議する「期日間整理手続き」が重ねられ、1年10カ月ぶりの公判再開となった

第3回公判が9月11日に開催され、被害を訴える女性(記事ではA氏と表記)とその母親などへの証人尋問が行われた。A氏は時折、泣き声になりながら被害を説明し、「医師免許のはく奪、性犯罪者として胸を見ていると思うと、長い長い実刑を望む」と訴えた。

第4回公判が9月12日に開催され、午前中に男性外科医の当該手術の前立ちを務めた柳原病院の外科部長である男性医師(以下、前立ち医師と表記)、午後に麻酔科医への証人尋問が行われた。

第5回公判が9月25日に開催され、被害女性A氏を担当した看護師3人への証人尋問が行われた。看護師は病室で2回、男性外科医を見たと証言したが、犯行があったとされる時間帯での、男性外科医の病室での行動については明確な記憶がないと述べた。A氏を病棟で担当したのは当時、免許取得後2年目のB看護師。現在、柳原病院には勤務していない。

第6回公判が9月26日に開催され、犯行があったとされる時間帯に408号病室にいた女性患者が証言した。女性患者は、被害女性A氏による「お母さん助けて」「触られた」という発言は聞いていないと強調した。女性患者は柳原病院の病棟主治医とは30年来の医師・患者関係がある。女性患者は前日から入院。


第7回公判が9月27日に開催され、検察側証人の精神科医への証人尋問があった。精神科医は「術後せん妄で説明する必要はない」と証言した。検察側証人は慶應義塾大学保健管理センター准教授の西村由貴氏(精神科専門医、医学博士)。西村氏は被害女性A氏が訴える被害について、「術後せん妄で説明する必要はない


第8回公判が10月3日に開催され、弁護側証人の精神科医への証人尋問があった。精神科医は、被害を訴える女性(A氏)について「DSM-5によるせん妄の診断基準に該当する状態にあった可能性があり、被害の訴えがせん妄状態による幻覚であった可能性がある」と証言した

第9回公判が10月4日に開催され、弁護側証人の乳腺外科医への証人尋問があった。被害を訴えた女性患者A氏への男性外科医の触診、写真の撮影法、電子カルテ格納後に写真を削除するなどした扱いなどについて適切だったと評価。術後に一人で診察したことについては、「医療上のマンパワーの問題。看護師が同席すべきだが、多くの病院ではやれていないと思う」

第10回公判が10月30日に開催され、検察側・弁護側双方から麻酔科医が証人となった。被害を訴えた女性患者A氏が事件発生時、せん妄状態にあったかについて、双方の主張は対立

第11回公判が11月1日に開催され、本件最大の争点となる女性患者A氏の胸に付着したDNAやアミラーゼ反応について、鑑定した警視庁科学捜査研究所の研究員、および双方の証人として法医学者が出廷した。弁護側証人の法医学者は科捜研の鑑定手法について「背筋が凍る思いだ」と厳しく批判した。

第12回公判が11月20日に開催され、被告人質問が行われた。事件当日は手術の直前まで手洗いを行っていなかったことなどを証言。事件については「非常にとても不名誉で、あってはならないこと」と訴えた。今後の裁判日程について、2019年1月8日に論告求刑公判・最終陳述、2月20日に判決言い渡しとなることが指定された


医師は無罪だろうと思う
しかし 仮に 被害女性のいう事が真実であった場合
「胸を舐めて」懲役3年はあまりにも不当だと思うけど。。。

術後の「せん妄」は、毎日のように病棟で起こっていて、これほどありふれた事象なのに意外と認知度が低い。