2020年6月7日

全画素超解像ズームの欠点を少し補完する ブラケット撮影 と小ネタ

当blog別館記事「意外と知らない?α7シリーズの全画素超解像ズーム 利点と注意点」にて

まぁ 色々あるけど「全画素超解像ズームよりRAW撮影できるAPS-Cモードだね」的な結論となりました。RAW撮影を重視した結果です。

私にとって RAW撮影を重視する理由は安心感ですね
やはり jpg撮って出しの画像に不安があるという事。jpgデータ編集は基本的に不可逆的であり、編集する度に画質が劣化します。


RAW撮影・現像では「ホワイトバランス」だったり「露出」だったり、明暗差の激しいシーンでの「白とび」や「黒つぶれ」の補正が比較的容易で いくら編集しても画質は劣化しないという安心感と便利さがあります。
特に露出については ソニーのカメラに限らず、EVF(電子ビューファインダー)では良い感じの「明るさ」に見えていたものが、家に帰ってPCで確認すると、思ってたのとちょっと違う感じになる事もある。

でも 優秀な全画素超解像ズームも捨てがたい
そこで、、
RAW撮影には及ばないが それなりに補完してくれる機能がα7・α6000シリーズにあります。ブラケット機能です(他のメーカーや一部の機種にもあります)

ブラケット撮影 機能とは?

 カメラの自動露出機能は、常に最適な露出やホワイトバランスが得られるとは限りません(RAWで撮影する理由のひとつ)。たとえば画面内に一部に非常に明るい光や反射光がある時は、露出が低くなってしまうなど問題があります。

全画素超解像ズームではRAW撮影ができないので露出などがコケル場合があります。
ブラケット撮影をする事で それらを補完する事ができます。

以下ソニーのカメラで使用できるブラケット撮影について書いてみます

連続ブラケット

露出を自動的に標準/暗い/明るいの順でずらして撮影します。撮影が終わるまでシャッターボタンを押し続けて撮影します。

設定方法
MENU→(撮影設定)→[ドライブモード]→[連続ブラケット]を選ぶ

注意!
[マニュアル露出]で[ISO AUTO]のときはISO感度を変えて露出値をずらします。[ISO AUTO]以外の設定ではシャッタースピードを変えて露出値をずらします。

ホワイトバランスブラケット

選択されているホワイトバランス・色温度/カラーフィルターの値を基準に、段階的にずらして、合計3枚の画像を記録する。設定方法
MENU→(撮影設定)→[ドライブモード]→[ホワイトバランスブラケット]を選ぶ。

DROブラケット

「DRO(Dレンジオプティマイザー)」は明暗差が大きい条件での撮影で暗部がつぶれず、そして明るいところも白飛びしないようにコントロールしてくれる機能です

Dレンジオプティマイザーの値を段階的にずらして、合計3枚の画像を記録する。

設定方法
MENU→(撮影設定)→[ドライブモード]→[DROブラケット]を選ぶ。


次のオートHDRは ブラケット撮影に準じるが ソニーではブラケット撮影と分けて考えられてます。

オートHDR

明暗差の大きい写真ににおいて、適切な明るさで撮ることができます(HDR:High Dynamic Range)。
適正露出画像と合成された画像の2枚が記録されます。
基本的に動かない被写体に有効です。風景写真において枝や葉が風で動いてもダメです。
又 当然ですが手ぶれも不可です。
手ぶれを検出した場合は、再生画像にの表示が出ます

設定方法
MENU→(撮影設定)→[DRO/オートHDR]→[オートHDR]を選ぶ。



マルチショットNR

ついでに もうひとつ
オートHDRと同じように複数枚の連写を行い画像を合成するものです
ノイズ軽減が主な目的ですので(見た目上の)ISO感度を上げられます。
オートHDRと同じで、被写体ブレ(動き)と手ぶれはNGです。
設定
MENU→(撮影設定)→[ISO感度]→[マルチショットNR]を選ぶ。

注意!
記録される画像は合成された1枚のみです。
[マルチショットNR]の[ISO AUTO]時に設定されたISO感度の範囲が反映されます。



RAW撮影がjpg撮影より「ホワイトバランス」「露出」「白とび」「黒つぶれ」の補正が比較的容易です。
逆に言えば jpg撮影ではそれが苦手だと言えます。

全画素超解像ズームではRAW撮影ができない欠点を 上記の ブラケット撮影で補えばその欠点は補完されます(過信は禁物!




ブラケット撮影時のコツ?(α7、α7II α7R以外)

上記のように 全画素超解像ズーム撮影+ブラケット撮影の利点を書いてきたが、、
手持ちでブラケット撮影(≒連射)すると、シャッター時のブレ(機構ブレ)によってどうしてもカメラを完全に固定できない訳です。

全画素超解像ズーム撮影は、手持ちレンズでは補えない望遠レンズの代用であるからカメラがブレるは写真的にはよろしくない。 まぁ、jpg撮影でそこまで神経質になるか?という事ですが、ちょっとしたコツ?でほぼ解消されるので 気になる方は参考にして欲しい


結論から言えば「ブラケット撮影+電子シャッター」の簡単な組み合わせです
*電子シャッターとは α7シリーズにおいて サイレント撮影の事です

サイレント撮影ができない
α7、α7II α7Rではこの組み合わせは不可


サイレント撮影機能を搭載している機種
ILCE-6100、ILCE-6300、ILCE-6400、ILCE-6500、ILCE-6600ILCE-7M3 ILCE-7RM2、ILCE-7RM3、ILCE-7RM4 ILCE-7S ILCE-7SM2



機構ブレのは、
メカニカルの先幕シャッターによって振動が起こりカメラを揺らすわけです。これを軽減するのが 電子先幕シャッターですね、先幕が電子シャッターに置き換わるので機構ブレが起きない。

ただし、ブラケット撮影(≒連写)すると電子先幕シャッターでもブレる(笑)
後幕はメカニカルなので振動があり2コマ目以降ブレになる。
んじゃ どうすれば良いかと言うと 上にあるように

ブラケット撮影(≒連写)の機構ブレの軽減には電子シャッターを使う!である。
単純な結論です


サイレント撮影使用時には
フラッシュの使用はできません
ローリングシャッター歪み、またフリッカーが出る場合があります。




結婚式など大事なイベントで望遠レンズを忘れた時に、全画素超解像ズームで何とかしたい時などに この記事を思い出してもらえたら嬉しいです